会長挨拶

会長挨拶

第31-32期(2020-21年度)

創立30周年記念事業を終えて

佐藤 千津(国際基督教大学)

 本学会は2020年に創立30年という大きな節目を迎えました。2019年に京都の大谷大学で開催された第30回記念研究大会に続き、創立30周年記念企画の一環として、2021年10月に第32回研究大会(創立30周年記念大会)をオンラインで開催することができました。本学会としては初のオンラインによる大会の開催でしたが、無事に開催できましたのは大会実行委員会をはじめ、関係の皆様のご尽力のお蔭です。例年以上に多くの参加者を得ることができ、画面越しではあるものの再会を喜び合いながら、実りのある研究交流ができました。ご参加いただいた会員の皆様にもお礼を申し上げます。この間に多くの皆様が入会され、ますます活気にあふれた学会活動が行われております。
 また昨年は、創立30周年記念論集として『コミュニティの創造と国際教育―日本国際教育学会創立30周年記念論集―』を明石書店より刊行いたしました。本書の編集過程では、執筆者の交代や、新型コロナウイルスの感染拡大など予期せぬ事態が生じ、当初の予定より出版が大幅に遅れましたが、昨秋には皆様のお手元にお届けすることができました。本書がコミュニティを手がかりに国際教育の在り方を考える一助となれば幸いです。
 その記念論集の「刊行にあたって」においても述べましたが、本学会が創立されたのは1990年8月8日です。前年の 1989年には東西ドイツを分断するベルリンの壁が崩壊し、1か月後には東西冷戦が終結して国際関係の構図が大きく変化しました。そうした新しい時代の到来とともに、国際教育をテーマとする本学会が創立されたのは偶然ではありません。当時、東京大学教育学部の教授であった松崎巖初代会長が設立趣意書において強調したのは、様々な教育課題の基礎に「人類愛に根ざした哲学」がなければならないということでした。地球上の皆がそれぞれの幸福と世界平和のために互いに協力し、人類が直面する数多の難問に取り組むには「教育の国際化」のみならず、「教育研究の国際化」も必要であると説かれました。
 あれから30年が経ち、国内外で新たに生じる課題はますます複雑化・多様化しているように見えます。私たちの未来には、一人ひとりが希望をもってその将来を思い描くことができる明るい社会があり、今、歩みつつあるこの道がそこへ続いていると信じつつ、研究を深めてまいりたいと思います。
 一連の学会創立30周年記念事業が終了し、新しい年を迎えました。新たな気持ちで迎えるこれからの年月が会員の皆様にとって更なるご活躍の日々となり、学会にとっては40周年に向けた飛躍の時となることを切に願っております。

第31-32期(2020-21年度)

次の30年に向けて

佐藤 千津(国際基督教大学)

 昨夏の役員改選により、第31-32期の会長を拝命いたしました。3期目となりますが、学会の更なる発展に向け、気持ちも新たに全力で務めさせていただきます。
 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により、それまでの日常が一変しました。何事もなく過ぎていく平和な日々が、実はかけがえのないものであったことに改めて気づかされた1年でもありました。
 その2020年に本学会は創立30年の大きな節目を迎えました。1年前のニューズレターを見返すと、創立30周年を記念する企画の文字が並び、華やいだ雰囲気すら醸し出していますが、その後の感染拡大により、それらの企画も延期や変更を余儀なくされました。収束の見通しが立たないなか、30周年記念大会を1年延期とし、総会も文書による報告・審議に開催方法を変更しましたので、会員の皆様にはご迷惑をおかけいたしました。
 その失速を挽回しようというわけではありませんが、昨年後半に発足した新しい理事会体制により、コロナ禍での学会活動の在り方を改めて検討し、いくつかの新たな企画をまとめるに至りました。
 まず、紀要第27号では通常の原稿募集に加え、「特別企画 コロナ禍における世界の教育とSDGs」と題して投稿原稿を募集することになりました。次に、3月にはオンラインによる研究発表会や研究交流会を連続して開催いたします。2021年の前半には、こうした研究発表や交流活動の場を新たに設けておりますので、皆様の積極的なご応募とご参加をお願いいたします。
 今秋の第31回大会は会場を北海道大学に変更して開催する計画です。まだ先が見通せませんので、開催の可否や方法は春頃に最終決定し、ご案内させていただく予定です。今年こそは北の大地で多くの皆様と再会を喜び合い、以前と変わらぬ実り多い研究大会が開催できますことを切に願っております。
 昨年は第2回学会賞の授与が決定し、本紙でも紹介しております。奨励賞は2年前に授与されておりますが、学会賞は初めての授賞になります。また、第3回学会賞・奨励賞候補作の募集も2月に始まりました。自薦・他薦を問いませんので、奮ってご応募ください。
 最後に、本学会には若手研究者が多数所属しております。今期は学会事務局をはじめ、理事や各種委員会委員として多くの若手会員が学会運営に携わっております。その活力に期待するとともに、そうした活動を通じて会員の皆様のニーズを学会運営に的確に反映させながら、未来につながっていく魅力のある学会活動を推進してまいりたいと考えております。
 学会の次の30年に向け、今年も皆様と充実した時間を共有できましたら幸いです。
 今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。