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会長挨拶

第27-28期(2016-17年度)

この1年を振り返って

佐藤 千津(国際基督教大学)

 本学会の会長に就任し、早くも1年が過ぎました。昨年の Newsletter第28号では学会活性化のための重点課題について述べましたが、どこまで進めることができただろうかと振り返っております。
 2017年のはじめには第9–10期会長を務められた西村俊一先生のご逝去という悲報に接しました。惜別の思いを禁じ得ませんが、本学会の創設と発展に大きな足跡を残された西村先生に心からの感謝を申し上げるとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。今号では西村先生を偲び、所縁の深い方々に在りし日の思い出をお寄せいただくことにいたしました。
 9月には吉田尚史理事のご尽力により、第28回大会を福岡女学院大学で開催することが できました。九州での開催は2度目で約20年振りとなります。古くから東アジア諸地域と の異文化交流の窓口として重要な役割を担ってきた福岡の地で、多文化共生をテーマとする本大会を開催できたことに大きな意義を感じます。福岡女学院大学をはじめ、ご協力いただいた関係機関の皆様に心よりお礼を申し上げます。
 今大会は国際連携においても意義のあるものとなりました。今期の国際連携活動にはオ セアニア比較国際教育学会(Oceania Comparative and International Education Society: OCIES)との交流活動があります。これは同学会のゼーン・マ・レーア氏(モナシュ大学)と本学会の前田耕司理事(早稲田大学)との長年の研究交流をもとに着想されたものですが、同じ国際教育分野の学会として連携することで双方の国際学術交流の発展を企図した活動です。
 OCIES は1973 年に創設されたオーストラリア比較教育学会(Australian Comparative Education Society : ACES)を前身とする学会で、1983 年にはオーストラリア・ニュージーランド比較国際教育学会(Australian and New Zealand Comparative and International Education Society: ANZCIES)に名称変更されています。さらに近年の組織拡大に伴い、2015 年に現在の名称に変更されました。本学会と比較するとその歴史は長く、会員数も多い学会です。今年は国際連携の第一歩として会員の相互派遣を実現し、OCIES のゼーン・マ・レーア氏らを第28回大会に招聘するとともに、11 月のOCIES第45回大会に本学会から会長らが参加して交流活動を行いました。今年、OCIESでは役員改選があり、AGMの席でゼーン・マ・レーア氏が共同会長(Co-President)の一人に選出されたことは嬉しいサプライズでした。ゼーン・マ・レーア氏は 9 月に本学会にも入会されましたので、今後、ますます研究交流を深めていけるものと思います。
 この連携活動とは直接は関係しませんが、OCIESのジャーナルである International Education Journal: Comparative Perspectivesは原則として年2回発行されています。論文の投稿などをご検討いただければと思います。
 学会が創立され、まもなく30年になります。記念の年に向け、国際教育の名にふさわしい充実した学会活動を展開していきたいと考えておりますので、会員の皆様には引き続きご協力をお願いいたします。

(2018年)

第27-28期(2016-17年度)

会長就任にあたって

佐藤 千津(国際基督教大学)

 昨夏、思いがけず、第27-28期の会長を拝命いたしました。初代会長から数えて10人目となりますが、歴代会長は名だたる方々で、その後に名を連ねることの栄誉と責任を感じております。
 私が本学会に入会したのは2000年のことです。イギリス留学を終え、帰国したのを機に入会させていただき、以来、紀要編集委員長や副会長などを務めるなかで、多くを学ばせていただきました。浅学菲才の身で会長の大役をお引き受けすることには不安もありますが、これまでご指導下さった先達諸氏が築かれた伝統を大切に受け継ぎ、学会の更なる発展に向け、より良い形で次へ引き継いでいくために全力で務めさせていただきます。
 本学会が会員一人ひとりにとって有意義な研究活動の場となることを願い、第27回総会では「学会活性化のための重点課題」として今期中に実現をめざす6点の課題とそのための予算措置を提案し、承認されました。すべての会員の皆様と共有したいと思いますので、以下に述べさせていただきます。
 第一に、第30回大会にあわせて学会創立30周年記念事業を実施するため、事業内容を検討するための準備委員会として「学会創立30周年記念企画委員会」を設置します。当面は研究担当理事を中心に記念大会の開催、記念誌の発行などを含め、各種企画について検討します。
 第二に、国際連携を一層推進するため、海外諸国・地域における関連学会とのパートナーシップ構築の可能性を探りながら、シンポジウムやセミナー等の共同開催、大会への会員相互派遣など、国際連携の在り方について国際交流担当理事を中心に具体的に検討します。
 第三に、学会の将来的発展のためには若手会員の研究活動の活発化が不可欠です。本学会は若手会員が比較的に多い学会で、かつては若手会員を主な対象として、研究内容に関する実質的議論の時間を長めに取った春季研究会を実施するとともに、優秀な発表は紀要に推薦する春季研究会推薦論文といった取り組みも行っておりました。残念ながら、秋の大会との兼ね合いなど運営上の問題から中止するに至りましたが、その後継事業とすべき若手会員の研究交流推進策を検討します。
 第四に、会員の拡大とそのための広報を強化します。国際教育分野の研究者のみならず、実践者も含めて会員を拡大することは、多様な研究交流の促進に加え、学会の安定的基盤づくりの意味でも重要です。本学会の活動に関する広報活動を強化するとともに、「国際教育」の名にふさわしい多彩な活動や交流の在り方を探りたいと考えております。
 第五として、紀要の電子化・公開作業の効率化を図ります。これについては前々期から継続して作業を行っているところですが、スピード感を持って進めるため、「紀要電子化推進委員会」を「紀要電子化推進ワーキンググループ」に改組し、紀要電子化・公開作業の効率化と加速化に努め、研究成果や学術情報に関する発信力を効果的に高めます。
 最後に、やや事務的なことですが、テレビ(ウェブ)会議システムの実現を検討するという課題があります。理事会や各種委員会などにおいては遠方からの会議出席に要する時間と経費が課題となっております。それらを縮減するとともに国内外の関係者間で迅速に情報共有および意思決定が行える条件づくりに努めます。
 この他にも取り組むべき課題はありますが、会員の皆様にとって本学会が魅力的な学会であり続けることを願い、副会長をはじめ、理事並びに事務局の皆様と力を合わせて、上記の課題から優先的に取り組んでまいります。

 これからの2年、学会で実りある時間を共有できますことを楽しみにしております。
 今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

(2017年)