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会長挨拶

第29-30期(2018-19年度)

学会創立30周年を迎えて

佐藤 千津(国際基督教大学)

 2020年を迎えました。今年は東京オリンピック・パラリンピック開催の年でもありますが、1990年8月8日設立の本学会にとっては創立30周年を迎える大きな節目の年です 。
 すでに昨年より創立30周年を記念するイベントが実施されております。まず、学会創立30周年記念論集を明石書店より刊行する企画を進めております。公募論文には5本のエントリーがあり、研究論文1本、研究ノート1本の掲載を決定しました。特集論文などを含め、編集作業を鋭意進めているところです。
 次に、30回目を記念する第30回研究大会が京都の大谷大学で9月に開催されました。京都での開催は20年振りの2度目でした。当初は、千葉県を中心に大停電など甚大な被害をもたらした台風15号の進路にあたっていたため、開催が危ぶまれました。その影響で残念ながら参加者はあまり多くありませんでしたが、シンポジウムにお招きした遠来のゲストをはじめ、オーストラリア、台湾、ウクライナなど、国内外から会員のみならず会員以外の皆様にもご参加いただき、小規模ながら充実した大会となりました。会期中には、台湾の楊武勲理事から台湾比較教育学会のジャーナルへの投稿募集や、ゼーン・ダイアモンド理事からはオセアニア比較国際教育学会との研究交流の促進が提案されるなど、今後の更なる国際交流活動を展望する良い話がありました。また、北海道大学のジェフリー・ゲーマン会員には特任理事としてグローバルリエゾンに尽力していただくことにもなりました。
 創立30周年を迎える第31回大会は、北海道教育大学釧路校の玉井康之会員を大会実行委員長とし、札幌 駅近く の北海道立道民活動センターにて開催されます。本学会の大会を北海道で開催するのは初めてのことですので、30年の節目にふさわしい大会とすべく 着々と準備を進めております。今年4月には北海道白老町 ポロト湖畔にアイヌ文化復興・創造の拠点として「民族共生象徴空間(ウポポイ)」がオープンするようですが、公開シンポジウムは「 共生社会における先住民族政策とは-アラスカと北海道の結節点 」と題し、21世紀の共生社会の在り方について、アラスカ州の先住民族研究を手がかりに検討することを考えております。加えて、今後の国際教育分野の研究と実践の可能性について議論を深めるため、2本の課題研究を企画しております。どうぞご期待くださり、多くの皆様にご参加いただきますようお願い申し上げます。

 本学会の次の30年に向け、今年も皆様と有意義な時間を共有できましたら幸いです。
 今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

学会創立30周年に向けて

佐藤 千津(国際基督教大学)

この度の役員改選により、第29-30期の会長を拝命いたしました。第27-28期は会長就任時に重点課題を設定し、微力ながら新しい課題にも取り組んでまいりました。学会創立30年という大きな節目を前に、大役をお引き受けする責任を改めて感じますが、学会の更なる発展に向け、今期も全力で務めさせていただきます。
 思い返せば10年前、20周年を迎えた時の前田耕司第19-20期会長が「学会というのは30年経ったときに学会としての品格が問われる」とニューズレター第22号に記されております。加えて30周年に向けた会長の務めとして「全国的に高い認知度が得られるような学会にすること」と「若い研究者にとって希望の持てる学会になっているようにすること」の2点を挙げておられます。顧みるに、会長をはじめ、先達諸氏のリーダーシップにより、これらについては過去10年で大きな成果を上げることができたと思います。その一端は、全国はもとより海外からも選出された今期理事の多様性に見ることができるのではないでしょうか。また本学会は若手研究者が比較的に多い学会ですので、その活力に期待し、各種の委員会委員・幹事を若手会員にも委嘱しております。委員会活動などを通じて若手研究者のニーズを学会運営に反映させながら、より魅力のある学会活動を推進してまいります。
 さて、2019年は創立30周年を記念するイベントが多数予定されております。まず、「学会創立30周年記念論集」を明石書店より2020年に刊行する企画を進めております。記念論集に掲載する投稿論文を公募しますので、是非ご検討下さい。
 次に、国際交流担当の楊武勲理事の発案により、台湾の国立曁南国際大学における国際シンポジウムへの特別参加企画を4月に予定しております。
 さらに、記念大会となる第30回大会は、田中潤一理事を大会実行委員長として京都の大谷大学で9月に開催されます。京都での開催は同志社大学での第10回大会以来、20年ぶり2回目となります。大谷大学は1665年に京都に開創された東本願寺の学寮を前身とし、仏教精神に基づいた人間教育で知られる伝統ある大学です。記念大会では公開シンポジウムを2本立てとし、国内外から著名な専門家を招いて、仏教の国際化と教育をテーマとするシンポジウムに加え、国際教育学の課題と方法を検討するシンポジウムを企画しております。記念大会にふさわしいプログラムを予定しておりますので、ご期待下さい。
 その他、記念事業の詳細はニューズレターやホームページなどで随時案内してまいりますので、積極的にご参加いただければ幸いです。

 これからの2年間、皆様と有意義な時間を共有できますことを楽しみにしております。
 今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。